電子署名の法的有効性

最終更新日: 2026/09/01

oneDeal は、契約書の作成・レビュー・締結・管理をひとつのリンクで進められるサービスです。本ページでは、電子的な方法による契約締結の法的な位置づけと、oneDeal が講じている措置についてご説明します。

目次

  1. 1. 電子契約は法的に有効です — 契約方式自由の原則
  2. 2. 書面等が必要となる契約類型にご注意ください
  3. 3. 電子署名法の枠組み
  4. 4. 立会人型(事業者署名型)の電子契約について
  5. 5. oneDeal における署名の仕組み
  6. 6. 締結の記録(証跡)
  7. 7. 電子帳簿保存法との関係 — 保存期間にご注意ください
  8. 8. ご利用にあたってのお願い
  9. 9. 注意事項

1. 電子契約は法的に有効です — 契約方式自由の原則

日本の民法上、契約は、当事者の意思表示が合致することによって成立します。書面の作成や押印は、法律に特別の定めがある場合を除き、契約の成立要件ではありません(民法522条2項)。

したがって、法令上書面が要求される一部の契約類型を除き、電子的な方法で締結した契約も、書面と同様に有効に成立します。紙の契約書に押印する方法と、オンラインで合意する方法とで、契約の効力そのものに違いはありません。

2. 書面等が必要となる契約類型にご注意ください

一部の契約は、法令により公正証書の作成等が義務付けられており、電子的な方法のみでは締結できません。代表的な例は次のとおりです(2026年8月時点)。

契約類型根拠法令
任意後見契約任意後見契約に関する法律3条
事業用定期借地権の設定契約借地借家法23条3項
企業担保権の設定・変更契約企業担保法3条
事業用融資の個人保証における保証意思の宣明民法465条の6
遺言民法967条

上記は網羅的なものではなく、法改正により変わることがあります。締結しようとする契約が電子的な方法により締結できるものであるかは、利用者ご自身の責任でご確認ください。判断に迷う場合は、弁護士等の専門家にご相談ください。

なお、近年の法改正により電子化できる範囲は広がっています(一般定期借地権・定期建物賃貸借の電子化[2022年5月]、特定商取引法上の書面の電子交付[2023年6月・相手方の承諾が必要]など)。

3. 電子署名法の枠組み

電子署名及び認証業務に関する法律(電子署名法)は、電子署名について次の2つの定めを置いています。

(1)電子署名の定義(2条1項)

電磁的記録に対する措置のうち、次の2つの要件を満たすものが「電子署名」とされます。

  • その情報が本人(措置を行った者)の作成に係るものであることを示すためのものであること
  • その情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること

(2)真正な成立の推定(3条)

本人による一定の要件を満たす電子署名が行われた電磁的記録は、真正に成立したもの(本人の意思に基づき作成されたもの)と推定されます。この推定を受けるには、2条1項の要件に加えて、その電子署名が本人だけが行うことができるものであること(固有性)が求められます。

ここで重要なのは、3条の推定は「訴訟になった場合の立証のしやすさ」に関する定めであり、契約の有効性そのものを左右するものではないという点です。推定の適用がない場合でも、契約の成立は、メールのやり取り、操作の記録その他の証拠によって立証することができ、契約自体の効力に影響はありません(第1節参照)。

4. 立会人型(事業者署名型)の電子契約について

電子契約サービスには、利用者自身が電子証明書を取得して署名する「当事者型」と、利用者の指示に基づきサービス提供事業者が署名に関する措置を行う「立会人型(事業者署名型)」があります。

立会人型の電子契約についても、利用者の意思のみに基づいて機械的に措置が行われることが担保されている場合には電子署名法2条1項の電子署名に該当し得ること、また、十分な水準の固有性が満たされる場合には3条の推定の適用があり得ることが、政府の見解として示されています(総務省・法務省・経済産業省「利用者の指示に基づきサービス提供事業者自身の署名鍵により暗号化等を行う電子契約サービスに関するQ&A」令和2年7月17日[2条関係]・令和2年9月4日[3条関係、令和6年1月9日一部改定])。

oneDeal の署名機能がこの枠組みにおいてどのように位置づけられるかは、次節でご説明します。

5. oneDeal における署名の仕組み

本サービスでは、利用者の指示に基づき、当社が署名に関する措置を行います。立会人型(事業者署名型)にあたります(第4節参照)。

署名の処理

利用者が承認の操作を行うと、当社は、対象の契約書について次の措置を行います。

  • 契約書のデータから、その内容に対応する値(ハッシュ値)を計算します
  • この値に対して、当社が管理する署名鍵による暗号化等の措置を行います
  • 処理の結果を、契約書に付帯する情報とともに記録します

契約書の内容が後から変更された場合、1 で計算される値が変わるため、署名時の状態から変更が行われていないかどうかを確認することができます。

本人確認

署名を行う方については、メールアドレスへ送信する認証コード(ワンタイムパスワード)により確認を行います。契約書を受け取る側の方も、同じ方法で確認を行います。

法的な位置づけ

上記の措置は、電子署名法2条1項が定める電子署名の要件(本人の作成に係るものであることを示すこと、および改変の有無を確認できること)を満たすものと考えています。

また、政府の見解(第4節参照)に照らし、同法3条の要件を満たし得るものと考えています。ただし、3条の推定が個別の事案において適用されるかどうかは、最終的には裁判所の判断によります。第3節に記載のとおり、推定の適用がない場合であっても、契約の成立そのものに影響はありません。

6. 締結の記録(証跡)

契約の成立が後に争われた場合に備え、oneDeal は締結の過程を記録しています。

記録する内容

記録するもの内容
操作の記録共有リンクの発行、契約書の閲覧、送信、同意、締結の各操作
日時上記の各操作が行われた日時
接続元の情報IPアドレス、ブラウザ等の情報(User-Agent)
文書の同一性を示す値契約書の内容から算出した値(ハッシュ値)

記録は書き換えられません

これらの記録は、追記のみが可能で、変更および削除ができない仕組みで保存しています。後から記録を書き換えることができない設計であることが、証拠としての価値を支えます。

保存期間

締結に関する記録は、ご利用期間中および契約終了後1年間保存します(利用規約 第10条8項・第12条3項)。

記録の利用について

第3節に記載のとおり、電子署名法3条の推定の適用がない場合でも、契約の成立は他の証拠によって立証することができます。上記の記録は、誰が、いつ、どの契約書について、どのような操作を行ったかを示すものであり、契約の成立の過程を裏付ける資料としてご利用いただけます。

政府の見解も、身元確認の水準が高くない場合であっても「契約当事者間における当該電子文書の成立過程を裏付ける証拠等が提出できれば、それらも電子文書の成立の真正の有効な立証手段となり得る」としています(3条関係Q&A 問6)。

7. 電子帳簿保存法との関係 — 保存期間にご注意ください

電子的に締結した契約書は、税法上「電子取引」のデータとして保存義務の対象になります(電子帳簿保存法7条)。

保存期間

契約書は、帳簿書類として原則7年間の保存が必要です。法人・個人事業主のいずれも同様です。

事業者の区分保存期間根拠
法人7年間法人税法施行規則59条1項3号(「契約書」が明記されています)
法人(欠損金が生じた事業年度)10年間法人税法施行規則26条の2
個人事業主(青色申告)7年間所得税法施行規則63条1項3号(同上)

起算日は契約を締結した日ではなく、その事業年度終了の日の翌日から2か月を経過した日です(法人税法施行規則59条2項)。そのため、実際に保管が必要な期間は、締結日から数えると7年を超えることになります。

真実性の確保のための措置

保存にあたっては、真実性の確保のため、次のいずれかの措置が必要とされています(電子帳簿保存法施行規則4条1項)。

  • タイムスタンプが付与されたデータの授受
  • 授受後遅滞なくタイムスタンプを付与
  • 訂正・削除の履歴が残る(または訂正・削除ができない)システムでの授受・保存
  • 訂正・削除の防止に関する事務処理規程の備付け

oneDeal の対応

本サービスでは、締結した契約書についてその内容から算出した値を保存し、以後の照合に用いるとともに、締結に関する記録を変更および削除ができない仕組みで保存しています(第6節)。総務大臣の認定を受けた時刻認証業務(認定タイムスタンプ)は利用していません。

利用者の社内での取扱いを含む具体的な対応方法は、税理士等の専門家にご確認ください。

8. ご利用にあたってのお願い

1. 相手方の確認:oneDeal は、署名を行った方がご本人であること、および契約を締結する権限を有することを保証するものではありません。相手方がご本人であるか、締結の権限をお持ちかは、事前に利用者ご自身の責任でご確認ください。

2. 契約類型の確認:締結しようとする契約が、法令上書面等を要するものでないこと(第2節)をご確認ください。

3. 専門家への相談:個別の契約の法的な効力や、訴訟における立証に関するご判断は、弁護士等の専門家にご相談ください。

9. 注意事項

1. 本ページは、電子契約に関する一般的な情報の提供を目的とするものであり、個別の事案に対する法的助言ではありません。

2. 電子署名の効力は、契約の内容、当事者の意思表示、法令、取引慣行等により異なる場合があります。書面や実印等が別途必要となる契約もあります。

3. 本ページの記載は、法令の改正や当社サービスの変更により、予告なく変更されることがあります。